学校で「将来の夢を決めろ!」と強く言われる。
そういって思い悩む生徒さんがいました。
この言葉の是非の判断は、人によって違うと思います。
これについて、私のいち意見を綴ります。
結論から言いますと、私の意見は「決めることは良い、”決めろ” と強いることは良くない」です。
学校の様子を聞くと、学校全体が大学受験を意識しているなぁと思いました。
課題の出し方が、それをこなすことで国立大学合格者の多くが実践したであろう学業モデルに近づくことができるような出し方です。
学校としては「進学する生徒を増やしたい」のかもしれません。
仮にそうだとすると、少しでも多くの生徒が進学できるようなカリキュラムを組み、それを生徒に実践するように指導しているのでしょう。
その指導の一環が「将来の夢を決めろ!」なのだと思います。
将来の目標が定まれば、そのための学びが決まります。
取り組むべき学びが決まれば、学業に励むという行動が決まります。
「行動が決まる」というのは望ましいことだと思います。
成功・成果・失敗・反省・改善・向上など、何がしの変化をもたらすのは「行動」あればこそだからです。
その意味で、学校が生徒に対して、将来の目標を定めるよう促すのは理があります。
しかし、それが強いる形で行われるのがしっくりきません。
中高生は社会との接点が少なく、「働く」というイメージが持てないことの方が自然です。
そうであるのに、決定を強いるのは筋が通りません。
それに、強いられた意思決定に持続性はなく、どこかで破綻をきたす可能性が大です。
では、何があると良いのか。
それは、(1) 判断材料を示し、(2) 判断する時間を用意し、(3) その決定には流動性をもたせていいと伝えること だと考えます。
企業が行う職業体験、インターンシップなどを利用するのも良いですし、そこまで制度的に確立していなくても、周りの大人が自身の職業について話すだけでも良いと思います。
何も情報がない状態で選べといわれても、まともな選択ができるとは思えません。
また、将来の目標を決定するにはそれなりに熟慮を要します。
ビジネスの現場では、即決しなければならないことがあるかもしれません。実際にそれができる人もいます。しかしそれは、経験という明確な根拠に基づく意思決定です。
経験したことがないことを決めるのだから、その分、意思を固める時間がかかって然るべきです。
一方で、いつまでも定まらないままでは行動に移せないので、ある程度の期間を確保しつつも当面の期限を設ける必要はあると思います。(例えば学年末など)その期間は、生徒にも、今が考える期間であるということを認識しアンテナを張っておいてもらうことが大事です。
そして、中高生の段階での決定が一生涯続くものになるとは、誰も保証できません。
”一生を決める選択” と思うと、ことが大きすぎて、大人であっても決断を躊躇するのではないでしょうか。そう思ってしまっているとしたら、中高生にとってその決断はほぼ不可能といえるでしょう。
一生を決める選択ではないこと、途中で変わってもいいものであること、初めは漠然としたものでいいこと を伝え、実践を通して少しずつ具体化していけばいいのだと思います。
今回綴ったのは、「将来の目標を定めるよう強いられること」に対する私の意見です。
実際に定めるときの考え方は、また別の機会に綴ろうと思います。
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