“読書の秋” ということで、福沢諭吉の『学問のすヽめ』を読みました。
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という一文は有名ですね。
前から概要だけは目にしていたのですが、実際に本で読んだことがなかったので気になりました。
冒頭を要約すると、次のようになります。
人は生まれたときは平等であるが、やがて貧富・貴賎の差ができる。 この差は一体何なのか。 それこそが "学問に励んだか励まなかったか" の差である。
福沢諭吉のいう “学問” とは、本で学ぶ机上の学びに限らず、生活に根ざした知識を得ることも含むとしています。
世を渡る術、商売を繁盛させる術、世相を見抜く術なども、福沢諭吉がいう “学問” にあたります。
いわゆる 実学 の推奨ですね。
自身を向上させる意義を見失ったとき、何かヒントが得られるかもしれません。
後半は人と国の在り方にも、次のような主旨で言及しています。
学問を通じて国民の学識が深まれば、政府の仕事は滞らず、国民も苦しめられることはない。 お互いの折り合いがうまくついて、国の安寧は保たれる。
明治維新の後、江戸時代の支配者層の世襲制が終わり、それまで政治に関われなかった人たちも広く関われるようになりました。
また、当時は世界の国々と渡り合うための近代化が求められている時期でもありました。
日本の近代化のために、政治に直接関わる人の心得と、そこで暮らす国民の姿勢について説いていました。
国の在り方までになると話が大きいですが、日常で属するコミュニティ(会社や学校、部活動などのグループ)にも通じるところはあると思います。
コミュニティの成長を考えるときに、何かヒントが得られるかもしれません。
紹介したのはほんの一部ですが、『学問のすゝめ』には今の時代に通じることが書かれています。
書店に並ぶビジネス書にも、共通した考え方がありますね。
読んでいて私が凄いと思ったのは、まさにそこです。
これは明治維新の4年後から書かれたものです。
今の時代に ”今の時代に通じること” が書けるのは、当たり前のことです。
福沢諭吉は、約150年前にそれを声高に説いています。
結局のところ、その後の明治日本は、天皇への忠義を核とする天皇制国家になりました。
福沢諭吉の思想はその世相に合わず、批判や攻撃の対象になってしまったそうです。
ただ、この本は300万部以上売れたとされており、当時の総人口から計算すると国民の10人に1人は持っていた大ベストセラーです。
そして平成の世にも書店に並ぶ超ロングセラーでもあります。
それだけ人の心を掴む何かがあるのでしょう。
「何か本でも読もうかな」と思うときに、オススメしたい1冊です。
(^^)
新潟の家庭教師
野上直行
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