天の川を挟んで位置する星、ベガとアルタイル。
それぞれ七夕伝説の織姫と彦星に準えられています。
日本の七夕伝説によれば、1年に一度、7月7日に彦星が織姫に会いにいくとされます。
(国が変われば、織姫が彦星に会いにいく話もあります。)
川を渡っていくとなれば、さぞや大変な準備を要することでしょう。
天の川を挟んだベガ(織姫)とアルタイル(彦星)は、およそこのような位置関係にあります。
さて、彦星はどのように天の川を渡れば織姫に会えるのでしょうか。
織姫と彦星はおよそ15光年の距離にあります。
距離の桁が違いすぎてピンとこないので、我々のイメージしやすい単位で考えましょうか。
1年に1度の試練的なものということを踏まえて、150mと置き換えてみます。
また、彦星側から織姫方向を見たとき、川に並行な向きとの間にできる角をθと考えます。
すると、彦星から織姫の方に行くにあたり、水平方向には(150 cosθ)m、垂直方向には(150 sinθ)m 進むことになります。
彦星側が上流とし、天の川の流れを v (m/min) とします。
舟を浮かべて、何もしなくても水平方向には川の流れが運んでくれます。
水平方向の移動を流れに任せるとすれば、後は垂直方向への移動を考えれば良いわけです。
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水平方向の移動にかかる時間は
(150 cosθ / v)min
です。
この時間で、垂直方向を進み切る必要があります。
これに必要な速さを計算すると、
150 sinθ /(150 cosθ / v)
=150 sinθ ×(v/150 cosθ )
=(sinθ/cosθ)× v
=v・tanθ (m/min)
となるでしょうか。
川の流れの速さと織姫に向き直ったときの角度が分かれば、対岸に垂直に舟の舳先を向けて、どれだけの速さで漕げば良いかがわかります。
間違っても、舟の舳を真っ直ぐ織姫に向けてはいけません。
織姫のはるか川下に流れ着きます。
流水上を動く物体の運動を考慮して、賢くデートに臨みましょう。
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