「生物」が好きになったワケ

先日化学がいちばん好きだと書いたばかりですが、化学と双璧を成すくらいに好きなのが生物です。

 

 

小さい男の子は乗り物か動物が好きであることが多いですが、私は動物派でした。

 

小学生の頃はいろいろな動物を飼いたいと言って、親を困らせた記憶があります。

 

住環境的に難しかったりしたのですが、それでも、金魚、リス、ハムスター、ウサギなどを飼わせてもらいました。

 

 

中学に入ってから、学校の理科の内容が詳細になり、動物を含めた生物全般を深く知ることができるようになりました。

 

 

 

「そうだったのか!」

 

 

 

という発見があり、いつも新鮮でした。

 

 

 

高校では、物理と生物で理科選択がありましたが、迷うことなく生物選択でした。

 

教科書を手にしたとき、中学までの生物学習とは比較にならないほどの情報量があり、早く読みたいと思いました。

 

生物については教科書を読むという行為が、勉強のためというより、趣味の読書に近い感覚だったのだと思います。

 

 

 

大学では農芸化学を専攻しました。

 

生物を化学するという、自分の興味をピンポイントで表現したような学問分野でした。

 

 

 

 

生物の学びの中で思ったのは、

 

 

生物は奇跡の連携プレーの集合体である

 

生命システムは社会システムの縮図である

 

 

ということです。

 

 

 

連携プレーというのは、例えば食物の消化など。

 

口に物が入るとその刺激で唾液が分泌され、歯で噛み砕かれると同時に唾液中の酵素で糖質が分解され、筋肉の動きで嚥下し、胃に到達したらその刺激で胃液が分泌され……などなど、書き綴れば途方もなく長くなります(笑)

 

さらに言えば、口に物が入った刺激で唾液が分泌されるときには、神経細胞の刺激の伝達という小さな連携プレーがそこにあり、筋肉の動きで嚥下するときにも、筋収縮のメカニズムという小さな連携プレーがあります。

 

このように、途轍もない数の小さなプレーが複雑かつ精巧に組み合わされて、一個の生物を作り上げています。その仕組みは、もはや奇跡と言って過言ではないです。

 

 

 

社会システムの縮図というのは、通貨の存在とオートメーション化という点です。

 

生命活動にはエネルギーが必要ですが、生体内ではATPという物質がエネルギーの運び屋になります。

 

植物は光エネルギーを(光合成)、動物は食品成分のもつ化学エネルギーを糧にするのですが、光や食品のエネルギーを直接利用できるわけではなく、一度ATPという形に変えてから、適宜必要なところに必要な分だけ利用しています。

 

このように普遍的に利用できる価値に変換するというのは、社会の中では通貨という形で実現されています。(ATPはエネルギーの通貨と表現されます)

 

貨幣は古くからありますが、人類が発明したものなので、人類以前には存在していませんでした。しかし、ATPという物質は、人類が人類である前から生物が利用してきていたわけです。それも通貨という、現代社会に通用するシステムとしてです。

 

もうひとつ、オートメーション化については、恒常性の仕組みの中に見られるフィードバック機能がその一例です。

 

生命活動に必要な物質Xが不足すると、Xの量を増やすためのホルモンが出てきます。ホルモンの働きでXが増えてくると、今度はXがそのホルモン分泌を抑えるように働きます。これを負のフィードバック機能と呼びます。

 

不足したら出る、十分になれば止まる。

これが自動的に行われるようになっています。

 

産業の発展は、人の手の介入を極力減らす方向 (オートメーション化) で改良が加えられてきた結果です。

 

ただ、人類の歴史で道具の使用が始まったそのときには、生体内では奇跡のオートメーションシステムがすでに存在していました。

 

私はそこに感動を覚えたわけです。

 

 

 

 

長くなりましたが、ひとことでまとめれば、いきものってすごい! と思ったのが、生物を好きになった理由です。

(^^;)

 

 

高校生になった生徒さんが、私と同じ大学、同じ学部に興味を持ってくれているらしいので、嬉しさのあまり、ついついそんな話をしてしまいました。

 

(^^)

 

 


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