高校生の入学後の選択肢どころ第1弾(ですかね?)、文系・理系の選択。
早いところでは夏休み前に希望を取ります。
この選択で悩む高校生も少なくないようです。
今回は 文系・理系の選択 について綴ろうと思います。
1.文系とは、理系とは 2.何のために分かれているか 3.どう決めるか 4.決めたら変更はできなくなるか
1.文系とは、理系とは
文系は、主として人間の活動を研究対象とする学問系統 で、人文科学(文学、民俗、歴史など)や社会科学(政治、経済、法律など)に分類されます。
理系は、主として自然界を研究対象とする学問系統 で、自然科学(数学、物理、生物、化学、地質土壌、気象、天文など)に分類されます。
学校教育では、国語・英語・社会が文系教科とされ、数学・理科が理系教科とされます。
一般的なイメージとしては、文系教科は文章表現や暗記が主で、理系教科は計算が主である、というところでしょうか。
もっとも、必ずしもそのイメージ通りであるとは言い切れません。
あくまで 便宜上の分類 と捉えておくといいかもしれません。
2.何のために分かれているか
高校でのコースを文系・理系に分けるのは、日本の大学入試に合わせている面があります。
いわゆる文系学部の入試では、英語・国語を必須とした上で数学・社会のいずれかを選択 させることが多く、文系教科の比率が大きくなります。
一方で、いわゆる理系学部では、英語・数学を必須とした上で理科のうち2科目を選択 させることが多く、理系教科の比率が大きくなります。
高校での授業構成もまた、生徒の希望進路に応じて、文系教科を多くするか理系科目を多くするかに分かれます。
3.どう決めるか
よくある決め方は以下の通りです。
(1)将来の目標がある
将来はこれを生業にしたいというものがあれば、それに即した知識・技能が得やすい方を選択します。医師を目指すのであれば理系、法律家やエコノミストを目指すのであれば文系を選択するでしょう。
(2)好きな教科がある
将来の目標はないものの、趣味・嗜好がそのまま教科学習に繋がっている場合は、その教科を重視する方を選択することが多いようです。「生き物が好きでよく調べる(理科・生物)」「日本文学をよく読む(国語)」「戦国大名のファンである(社会・歴史)」「数学が趣味です(数学)」など。
(3)苦手な教科、苦手な学習法がある
「数学が苦手だから文系」や「国語が苦手だから理系」、「計算が苦手だから文系」や「暗記が苦手だから理系」など、自分の苦手を避けるという視点で選択することがあります。
上記の例で言うと、オススメは列挙順です。
(1)(2)は積極的理由からの選択なので多少のつまづきがあっても乗り越えられますが、(3)は消極的理由からの選択なのでいざというときに踏ん張りがききません。
さらに言えば、「暗記が苦手だから」で理系に行くと、ほぼ全ての教科科目で面食らいます。
数学・物理の解法や公式の多くは暗記が必要で、生物・化学の半分以上は暗記事項です。
一方「計算が苦手だから」で文系に行っても、地理での時差計算、経済での経済成長率計算など、計算から逃れられるわけではなありません。
何かしらの積極的理由で選択することをオススメします。
4.決めたら変更はできなくなるか
文系から理系に転じることを 理転、理系から文系に転じることを 文転 といいますが、一般に 文転はできても理転はできない といわれます。
その根拠は、履修するべき教科科目にあります。
大学入試でよく使われる科目を比べると、
文系:英、国、数(IA・ⅡB)、社2科目
理系:英、国、数(IA・ⅡB・Ⅲ)、理2科目
となります。
理転するには、数学Ⅲと理科2科目を新たに学習する必要があります。
逆に文転するには社会2科目だけで済みます。
社会2科目を軽視するわけではないのですが、この差は大きいです。
数学Ⅲは数IA・ⅡBに比べ難易度がかなり高く、もともと理系の人ですら手を焼くことが多いです。理転するには、少なくとも数学IA・ⅡBがほぼ完壁にできていないとかなり厳しいといわざるを得ません。
理科も選択する科目により進路が限られてくることが考えられます。
大学の理系学部は 化学・生物 もしくは 化学・物理 で受けることが多いのですが、化学・物理 の方が、比較的多くの学部学科で採用される組み合わせです。
希望進路によっては物理を選択しなければならなことがありますが、この物理という科目が、数学的知識を多用することから、もともと文系の人には非常にとっつきにくいわけす。
以上より、転じた後に新たに履修する科目の難易度から、理転は難しいといわれるわけです。
しかし、これはあくまでも一般論であり、独学で学び抜くという強い意志があれば、できないことはありません。
長くなりましたが、文系・理系の選択は高校生活全体、ひいてはその先の道にも影響する選択の1つです。
安易に決めず、真剣に向き合って決めてほしい選択です。
今日の記録が選択の参考になれば幸いです。
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