相談事例です。
高校1年生のA君が言いました。
スランプを早く抜けたいです。
A君は中学までは一を聞いて十を知るような理解ができていました。
ところが、高校に入ってから理解がおぼつかなくなってしまったということです。
A君はそれをスランプ(一時的な不調)と表現しました。
しかし、それは本当にスランプでしょうか?
A君はほんの少し勉強するだけで中学の課程は自分のものにできました。
それはA君の情報処理能力が高いからに他なりません。
ではなぜ、高校課程ではそれができなくなったのか?
それは、高校課程の情報の質と量が、A君の情報処理能力を上回ったからです。
もともと情報処理能力が高い人は、ある程度の難易度までは “何となくこんな感じ” という、いわゆる「感覚で解く」「直感でわかる」ということができてしまいます。
しかし、問題の難易度がその人の情報処理能力を超えてしまうと、もはや感覚では解けなくなってしまいます。
ここでA君が現状打破を望むのであれば、取るべき行動はスランプを脱する方法ではなく、情報処理方法を再構築することです。
わからないことがわかるようになるための働きかけと、できなかったことができるようになるための働きかけ。
つまり勉強することです。
・何がわからないのかを明らかにし、必要な情報を入れ直し、それを使いこなせるかどうかを確認する。 ・もし使いこなせていなかったら、どこが間違っていたのかを明らかにし、どのようにすれば良かったのかを再確認する。 ・再確認した通りにもう一度やってみて、確かにできるということを自分自身に証明してみせる。
この一連の「勉強する」流れ を自分の中に組み上げるわけです。
直感で解けていたときはしてこなかったことでしょう。
しかし、直感で解けなくなった今こそ、それをするタイミングといえます。
ほんの少ししか勉強しなくても「良い結果」に繋げられる人は、確かにいます。
それは、「効率の良い学習がすでに組み上がっている」か、「その人の情報処理能力の範囲内のことをやっている段階」かのいずれかです。
後者の場合、結果を出すことはできていても、勉強のやり方は身についていません。
もし、壁にぶつかったとしたら、そこが「勉強」を始めるスタートラインです。
新潟の家庭教師
野上