【目的と心構えの区別】早さと丁寧さを比べたら、まずは丁寧さを推します。早さはその後の心構えです。

 

巧遅拙速という言葉があります。

巧遅は作業が丁寧ながら遅いこと、拙速は作業がぞんざいながら素早いことです。

良し悪しは一概には定まりませんが、学業においては巧遅を推します。

 


 

大変個性的(?)な字を書く小学生の生徒くんがいます。

学校の先生に「問題は『早く、キレイに、美しく』解くように」と言われたそうで、とにかくペンを早く走らせることに躍起になっていました。

 

とても素直ですね。(^^)

 

「早く、キレイに、美しく」とあるので、最初に挙がっている「早く」を最優先に意識しているところが、特に素直です。

 

しかし、書かれる文字は、ときに暗号のような形であったり、存在しない文字であったりと様々です。

(^^;)

 

文字の役割、文字を書く目的が後回しになってしまっています。

 

文字は情報伝達の手段であり、文字を書く目的は自分の意思を読み手に伝えることです。

書く早さは、その目的を達せられることを満たした上での、書き手側のみの心構えに過ぎません。

 

生徒くんには、「まずは人に読んでもらうことを考えてみようか。早さはその後で心がけることだと思うよ」と提案しました。

 


 

この「早さ」と「丁寧さ」は算数や数学の基礎計算でも気をつけたいところです。

早さと丁寧さに着目すると、組み合わせは4つあります。

 

(1) 早くて丁寧

(2) 遅いが丁寧

(3) 早いがぞんざい

(4) 遅くてぞんざい

 

結論からいえば、目指すところは (1)(2)のいずれかです。

(1) が理想なのは言うまでもありませんが、少なくとも (2) です。

 

理由はシンプルで、答えが導けるからです。

 

(4) は論外ですが、(3) は傍目にはとても出来るように見え、当人も短時間でたくさん進められるので、その充足感から目指してしまいがちです。

 

しかし、ぞんざいな計算では正解に至らないことが多く、結果成績が伸び悩んでしまうことになります。

なので、まずは丁寧さを推します。

 

初めは多少時間がかかっても、丁寧な計算で正解を導けるようになること。

それが実現できたら、徐々に時間制限をつけていきます。

 

基礎計算力においては、「早さは後からついてくる」と捉えてちょうどいいと思います。

 


 

ビジネスの現場では拙速が重視されることもありますが、それも最低限の質は確保した上でのことです。

 

学業においては、「遅くとも丁寧に」を心がけましょう。

ゆっくりでも、私はしっかりお付き合いしていきます。

確かな力を身につけていきましょう。

 

(^^)

 

 

新潟の家庭教師

野上直行

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