どうも、「数学なんて役に立たない!」を払拭したい野上です。
数学の使われ処の一例を紹介しようと思います。
「対数関数」と「食品の安全」の関係です。
対数というと、log (ログ)の記号が思い出されますね。
数の変化の度合いがものすごく大きいとき、数そのものを追おうとすると変わり方が大き過ぎて全体を捉えにくいことがあります。
そんなときは、変わり方そのものを比較した方が全体を捉えやすくなります。
例えば、1 から100 に変化する場合と1から100000000に変化する場合。
数字の変化は、前者が99、後者が99999999です。
9がいくつ並んでいるのか、どれくらいの差があるのか、一見して捉えにくいですね。
見方を変えると、前者は1に10が2回掛け算され、後者は1に10が8回掛け算されたと言えます。
大きさの変わり方を、10が掛け算された個数で比べているわけです。
この掛け算された個数というのが、対数です。
これが食の安全とどう関わるのか。
それは殺菌の理論にあります。
牛乳などの包装飲料、レトルトパウチ食品などは製造工程で 殺菌 が行われます。
食品を変敗させたり、人体に害を及ぼしたりする微生物を殺して、品質を保ったり安全性を高めたりするのが目的です。
この殺菌は、加熱により行われます。
ただ、ひたすらに高い温度で加熱すればいいというわけではありません。
熱によって見た目が悪くなったり、味が落ちてしまっては本末転倒です。
味を落とさずに、食品の品質・安全を確保できるように制御する必要があります。
微生物は非常に小さく、食品1g 中に、何十万、何百万という単位で存在したりします。
これを加熱すると熱に負けて微生物が死滅していくのですが、その死滅する数の変わり方が、まさに
対数関数的な挙動をみせます。
温度一定で、数が10分の1になるまでにかかる時間は?
時間一定で、数が10分の1になるのに必要な温度変化は?
これらを数値化しておけば、殺菌の温度と時間の管理ができるようになります。
何度の熱を、何分かけたら、食品の品質や安全を確保できるだけの殺菌ができるのか。
それを見極めるために対数の知識が不可欠なのです。
我々が(生物学的に)安全な加工食品を食べられるのは、対数のおかげとも言えます。
実はかつて食品製造業にて勤務していたことがあり、そこでは数学が大変役に立ちました。
世の中を陰ながら支えている理論に、数学が活きています。
生活を支える数学。
これが意識できると、数学がもっと面白くなるかもしれません。
(^^)
新潟の家庭教師
野上直行
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