鉄のネジを外に出しっぱなしにしておくと、見事な錆に覆われます。
写真のようになると、もはやネジとしての機能は果たさなくなってしまいます。
鉄は人類の道具の歴史の中でも後の方に出てきており、石器より加工しやすく、銅器より頑丈であり、重宝されてきました。
唯一の難点は錆やすかったことで、「神の唯一の設計ミス」と表現した人もいたようです。
あまり良くないイメージの「錆」ですが、人類はしたたかなもので、その「錆」さえも利用してきました。
「錆」の正体は、酸化鉄という物質です。
日常で広く見られる「錆」は、先の写真のような表面がボロボロで赤茶色になってしまうものだと思います。
これは酸化第二鉄という酸化鉄で、一般に「赤錆」と呼ばれています。
この「赤茶色」という特徴が、実は陶器に利用されています。
自然で柔らかい紅色を出すことができ、古来より弁柄として陶器の原料になっていました。
また、中華鍋など表面が黒い鉄製品は、表面が四酸化三鉄という酸化鉄でコーティングされているものが多くあります。
四酸化三鉄は一般に「黒錆」と呼ばれています。
この黒錆は、金属を腐食しません。
むしろ、金属を腐食させる赤錆の発生を防いでくれます。
「役立たず」「邪魔もの」と思われるものでも、その特徴を逆手にとって活用できる例は、生活の中に沢山あります。
それは短所を長所に転じる考え方の実例ともいえますね。
あなたの周りにも、見方によっては役に立つ「役立たず」や「邪魔もの」が眠っているかもしれません。
それを探してみるのもまた一興かと思います。
（＾＾）
新潟の家庭教師
野上直行
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